相続は、手間がかかる

夫婦が共有で自宅を買うときの注意点

石川県の相続税専門税理士

金沢市、野々市市、白山市、小松市を中心に活動しています!

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夫婦が共有で自宅を購入する場合、お互いの購入資金と持分割合、

また、ローンの返済方法によって、夫婦のあいだに贈与税の問題が生じる可能性があります。

 

〔 自己資金で購入した場合〕

  例) 自宅 3,000万円

     夫の自己資金 … 2,000万円  妻の自己資金 … 1,000万円

             夫の持分 … 1/2                         妻の持分 … 1/2

 

 ☆ 課税関係

   妻は、持分が1/2なので、本来は、1,500万円を負担すべきで

   あるところ、実際の自己資金は、1,000万円でした。

   差額の500万円については夫が負担している形になります。

   したがって、夫から妻に500万円の贈与があったものとみなされます。

 

   このケースでは、お互いの自己資金に応じて

   夫の持分2/3 妻の持分 1/3 として登記がされていれば、

   贈与税の問題は生じないこととなります。

 

〔 ローンで購入した場合 〕

  例) 自宅 3,000万円

     夫の持分…1/2  妻の持分…1/2

     夫婦2人の連帯債務のローン 3,000万円

     このローンを夫と妻が 6:4 の割合で負担することにしました。

  

              夫が負担するローンの額 3,000万円×60%=1,800万円

              妻が負担するローンの額 3,000万円×40%=1,200万円

  

              夫の持分…1/2  妻の持分…1/2 のため、

              本来、負担すべき金額は、

              夫 3,000万円 × 1/2 = 1,500万円

              妻 3,000万円 × 1/2 = 1,500万円 となります。

  

             このケースでは、

             夫から妻に300万円の贈与があったものとみなされます。

  

 〔 注意点 〕

       もし、上記のケースのように 夫婦の連帯債務でローンを組んだ場合に、

       自宅の名義を夫100%にしたときは、注意が必要です。

       この場合には、ローン返済をする年ごとに 妻が負担した返済部分について、

       妻から夫に贈与があったものとみなされます。